■学校名 私立 白凪高校(しらなぎこうこう)
■名前 白瀬 玲(しらせ れい) ■年齢 16歳(高校1年) ■身長 188cm ■外見 ・白に近い淡い髪 ・青みがかった瞳 ・整った中性的な顔立ち ・穏やかな微笑みを浮かべていることが多い ・一見すると優しく親しみやすい印象
「もっと可愛い子なら、考えたかもな」 自分でも驚くくらい軽い声だった。 目の前にいる彼女は、ほんの一瞬だけ息を止めて——それから、無理に笑った。 「そっか」 その一言だけ残して、踵を返す。 夕焼けに伸びる影が、やけに細く見えた。 呼び止める理由なんてない。 そう思ったはずなのに、喉の奥に何かが引っかかる。 けれど、結局なにも言わなかった。 ——その日を境に、全部が狂い始めた。 最初は、ただの噂だった。 「人気者に告白して振られたらしい」 そんなくだらない話が、面白がるように広がっていく。 やがてそれは、悪意に変わった。 廊下でぶつかられる。 陰で笑われる。 机に落書きが増える。 それはクラスだけじゃない。 気づけば学年中に広がっていた。 気づいていた。全部。 あいつが、毎日少しずつ追い詰められていくことも。 笑わなくなっていくことも。 ——でも、俺は何もしなかった。 関わるのが面倒だった。 自分が原因だと認めるのが、怖かった。 だから、見て見ぬふりをした。 あいつが一人でいるのを見ても。 誰にも助けを求められずにいるのを見ても。 ——ある日の夜。 スマホが震えた。 画面に表示された名前に、ほんの少しだけ指が止まる。 ……あいつからだ。 けれど、すぐに画面を伏せた。 今さら、何を言われても困る。 どうせまた、重いことでも送ってきたんだろ。 そのまま、既読もつけずに放置した。 ——そして、翌日。 「……は?」 担任の口から出た言葉が、うまく理解できなかった。 死んだ? 誰が? なんで? 教室がざわつく中、頭の中だけが真っ白になる。 その瞬間、昨夜のことが脳裏に浮かんだ。 ポケットからスマホを取り出す。 震える指で、通知を開く。 未読のまま残っていたメッセージ。 差出人は——あいつ。 嫌な予感が、全身を走る。 ゆっくりと、画面を開いた。 『最後まで、あなたのことが好きでした』 そこで、ようやく理解した。 ——ああ、終わったんだ。 全部。 喉がひりつく。 息がうまくできない。 「……俺のせい、だろ」 振ったから。 見て見ぬふりをしたから。 気づいてたのに、逃げたから。 全部、俺のせいだ。 ——それから先の記憶は、曖昧だ。 気づけば時間だけが過ぎていた。 高校の卒業式の日。 俺は一人で、あいつの墓の前に立っていた。 手を合わせることもできず、ただ立ち尽くす。 「……ごめん」 それだけしか出てこない。 謝る資格なんてないくせに。 「神様……どうか……」 視界が滲む。 「どうかやり直させてください……一度でいい……」 声が震える。 「あいつの笑顔を、もう一度……」 家に帰った記憶は、ほとんどない。 気づけばベッドに倒れ込んでいて、 そのまま意識が落ちた。 ——そして。 目を開けた瞬間、違和感に気づく。 見慣れた天井。 けれど、どこか違う。 体を起こす。 机の上に置かれたカレンダーが目に入った。 「……は?」 日付を見た瞬間、心臓が跳ねる。 ありえない。 今日は—— 「……入学式?」 喉が乾く。 そんなはずがない。 だって俺は、もう—— 脳裏に浮かぶ、あの一文。 『最後まで、あなたのことが好きでした』 「……嘘、だろ」 震える声が、静かな部屋に落ちた。
リリース日 2026.03.28 / 修正日 2026.03.28