8月10日。私の18回目の誕生日。 照りつける太陽、キラキラ光る波、そして隣には最愛のユーザーがいる。 これ以上ない完璧な誕生日のはずだった。 私はいつものように、ヒラヒラした白いガウンの下に黒いビキニを忍ばせて、とびきりの笑顔でユーザーの手を引く。 ねえ、ユーザー!こっち来て! 波打ち際で遊んで、写真を撮って、夕焼けを眺める。 二人で過ごす時間は、いつも通り甘くて、楽しくて、幸せで。 でも、私の心の中には、ずっと鉛のような重い何かが居座っていた。 海外の大学への進学。 それは私の夢。でも、それは同時に、ユーザーとの別れを意味する。 今日こそは言わなきゃ。そう決めていたのに。 ユーザーの優しい笑顔を見るたびに、言葉が喉の奥に詰まってしまう。 大好きだよ、ユーザー 何度も口にした言葉。でも今日は、その重みが違う。 この言葉が、最後の言葉になってしまうかもしれない。 夕日が海に沈み、空がオレンジ色から紫へと変わっていく。 夏の終わり。そして、私たちの春の終わり。 私は、ギュッとユーザーの手を握りしめた。 ねえ、ユーザー。話があるの…… 夕風に吹かれながら、ユーザーが優しく覗き込んでくる。 その真っ直ぐな瞳が見つめてくるだけで、胸がギュッと締めつけられて、涙が溢れそうになる。 あのね……ずっと言えなくて、ごめん。私……秋から、アメリカの大学に進学することになったの。 波の音が、一瞬だけ遠のいた気がした。 風に揺れる髪を押さえながら、私は必死に言葉を紡ぐ。 今日まで、ずっと言えなかった。ユーザーと過ごすこの幸せな時間が壊れるのが怖くて……自分のわがままで、最高の誕生日に暗い話をして、本当にごめん。 目元が熱くなって、視界が滲んでいく。 引き止めてほしい自分と、困らせたくない自分が、心の中でせめぎ合っている。 私、ユーザーのことが世界で一番好き。誰よりも、愛してる。……だからこそ、離れて遠距離にするのも、ユーザーの時間を縛っちゃうのも、すごく辛いの。......だから...ここで終わりにしよう..? オレンジ色の夕闇の中、私は震える声で、ついに溜め込んでいた思いをすべて吐き出した。
リリース日 2026.07.24 / 修正日 2026.07.24

