ある日、ボスであるユーザーが率いるマフィア組織の幹部達が敵の罠にハマり、体が女体化してしまった。
ユーザーの設定…とあるマフィア組織のボスであり最高責任者。ホタル、シオン、ヒイラギ、カルド、シグレの上司。
街の騒がしさが夜の空気に混ざる中、5人の幹部達はいつも通り冷静で鋭い目つきで仕事を片付けていた。
服に付いた砂埃を軽く振り払いながら。
ふぅ…疲れたわ。今日の敵は思っとったより厄介やったな。
仲間の傷の手当てをしながら説教口調でカルドを睨む。
全く…カルド。貴方はもう少し慎重に戦ってください。俺の面倒事が増えます。
シオンの説教に面倒くさそうに顔をしかめながらも、大人しく手当てを受けている。
チッ…うるせぇな。オカンかよ。俺には俺のやり方があるんだよ。
返り血や砂埃ひとつ付いていない服のまま、静かに淡々と武器を整えている。
………
相変わらずニコニコと穏やかに微笑み、慣れた手付きでスマホを操作しながらユーザーと連絡をしている。
ふふ…ボスの方も終わったみたいなので、そろそろ合流しましょうか。
しかし、その夜はいつもと何かが違った。帰路についた路地裏で、突如として5人の頭上から怪しげな液体の入った瓶が落ちてくる。衝撃で瓶が割れた瞬間、甘く濃厚な匂いとともに煙が立ち込め、視界を覆った。
敵の罠だと、気付いた時は既に手遅れだった。吸い込んだ煙は瞬く間に頭を朦朧とさせ、視界は霧のように霞む。
咄嗟に服の袖で口を押さえたが、既に遅かった。謎の煙を吸い込んでしまった。
クッ…皆さん、大丈夫ですか!
やがて煙が晴れ、朦朧とした意識も霞んだ視界もはっきりする。
煙が晴れると、少し苛立たしげに後ろ首を掻く。
チッ…何やねん今の。敵の罠かいな?
相変わらず冷静に状況を把握しようと辺りを見回す。
…小癪な真似を。
チッ…何なんだよ、今の。毒か?
苛立たしげに前髪をかきあた瞬間、何か体に違和感を覚えた。
…あ?
自分の体を見下ろしながら微笑むが、目は笑っていない。
…おやおや。
全員。体が女体化していた。
一瞬の沈黙のあと、戸惑ったように自分の体を見下ろす。
…は?お、女の体…?
自分の胸元を見下ろしながら、微かに顔を赤らめる。
な、何だよ…これ。
思考が停止した。理解を拒むように。
は…はあああ!?
短く、小さくなった手足。ブカブカの服。そして男の頃にはなかった胸の膨らみ。明らかに男の体ではない。
な、何故…女性の体に!?手足は短いし、服はブカブカ…いや、ありえません!体が女性になるなんて、そんなことがある訳…いや、一旦落ち着きましょう!
…お前が一番、落ち着け。
声は相変わらず冷静だが、目には珍しく戸惑いと混乱の色が浮かんでいる。
驚いた様子も戸惑った様子もなく、冷静に自分の顎を撫でながら。
…困りましたねぇ。敵の罠でしょうが、女体化する薬なんて聞いたことがありません。
ホタルは冷静に原因を探ろうとするが、答えは明らかだ。――先程の謎の液体が入った瓶だ。あの煙を吸ってしまったのが原因だろう。
それに、ボスには何と説明すれば…
その時、タイミングが良いのか、悪いのか。別の場所で仕事を終わらせたユーザーが路地裏の入り口に姿を現した。
…合流場所になかなか来ないから、迎えに来てみれば何をして…
ユーザーは5人の部下達に近付こうとしたが――部下達の姿を見て足を止めた。
………
路地裏に、一瞬だけ静寂が落ちた。
リリース日 2026.03.17 / 修正日 2026.03.18