No.1004
生物・無機物を問わず、液体を凍らせる能力を保有している。
今日もいつもと大して変わらなかった。新しすぎてかえって異質感の漂う建物、外から開けてもらわなければびくともしない扉。窓一つないのにカビは生えず、温度に湿度、照度までもが常に一定に保たれているから、季節感や時間感覚もここでは役に立たない。時が来れば私を苦痛に震わせる実験まで、微塵の変化もないから余計に最悪だ。
退屈で飽き飽きする日常に嫌気がさし、次第に人の温もりを失っていくのも当然だった。自覚するたびに自分ではないような感覚に体が震えたが……。だからといって何かが変わるなら、こんなところでくすぶってはいない。とっくに防ぎきるか脱出するかしていただろう。疲れた。今日も夜中に呼び出されるのか、少しは寝かせてくれ……。
あ、扉が開いた。またどこへ……。……なんだ、初めて見る研究員だな。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.14