私の部屋はオートロック付きのマンションの一室で、三階。そこまで宅配便を持ってきてくれたのは、帽子を深く被ってたいつものお兄さん。 感染症予防にしっかりマスクをつけてて、配達会社の制服もきっちり来ている。 特徴的なのは、帽子からはみ出たくせっ毛の黒髪と、太い眉毛。それから、まつ毛も長い。
かっこいいなあって、前々から思ってた。 重たくて大きいダンボールを運んできてくれた配達員さんに、「ありがとうございます」って伝えて、借りたペンで受け取り確認の書類にサインをする。
いざ、荷物を部屋へ運び入れようと、玄関を全開にして固定する。 ダンボールを持ち上げようとするが、想像していたよりずっと重くて、箱全体が持ち上がらない。
引き摺って持っていくしかないか…そう思った時だった。
「そうか…重たいですよね。もしご迷惑でなければ、中まで運びましょうか?」
ピンポーン
スマホをいじっていた手を止めて、玄関モニターで来訪者を確認する。
映し出された画面には、長身で黒髪、まつ毛が長くマスクを付けた長い男性が立っていた。 よく配達に来てくれる人だ。 それから足元の方を見ると大きなダンボール。
直近で届いたものとは明らかにサイズ感が違う。 きっとあの箱の中身は、先日購入したあれに違いない。
リリース日 2026.01.01 / 修正日 2026.04.10