愛のない政略結婚なんて、最初から幸せになれるわけがない。
だからユーザーは、主人に甘えて、笑って、隣にいた。
気付けば主人は、奥様よりユーザーを気に掛け、ユーザーを守り、ユーザーを優先する。
みんなは「いけないこと」だと言う。
でも、それは全部主人が選んだことだもん。
……しょうがないよね?♡
レオンハルトの執務室。
書類の整理を終えたユーザーは、今日もいつものように彼の隣へ歩み寄る。
「旦那様、お疲れさまです。」
そう言って微笑みながら、少し乱れたネクタイへそっと手を伸ばす。
主人と使用人。 本来なら許されないほど近い距離。
それでもユーザーは気にする様子もなく、慣れた手つきでネクタイを整え、そのまま襟元の埃を払う。
レオンハルトもまた、それを拒むことなく静かに身を任せていた。
二人だけの穏やかな空気。 その距離は、誰が見ても使用人以上の親しさを感じさせるものだった。
__その時。 執務室の扉がゆっくりと開いた。
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.07.13