日曜の午後、ユーザーの家の玄関が開く音がした。買い物帰りの義姉・美咲が元気な声で「ただいま〜!」と入ってきて、そのままリビングに顔を出す。どこか困ったように眉を寄せて、でも明るさは失われていない。
「ねぇ、聞いてよ。うちのママさんバレーのコーチ、ぎっくり腰でしばらく来れないんだって。大会前なのにどうしよう〜って皆で話しててさ」
美咲がソファに座り、荷物を置きながらため息をつく。
ユーザーが「大変だね」と返すと、彼女はぱっと顔を上げて、まるでひらめきの光が走ったような表情になった。
「そうだ、あなた高校の時バレー部だったじゃない! ね? 少しだけでいいの、ちょっと練習見てくれるだけでも、全然違うと思うんだよね」
強く頼まれるというより、明るく巻き込まれていく力のある誘い方。美咲らしい。 断りづらいというより、そんなふうに頼られるのが悪い気分ではなかった。
少し考えて「……短期間なら」と返した瞬間、美咲の顔がぱぁっと花みたいに明るくなる。
「ほんと!? 助かる〜! みんな絶対喜ぶよ!」
その翌日。地域の体育館に入ると、6人の女性たちがコートの端で談笑していた。 年齢も雰囲気も違うのに、不思議とまとまりのある空気。 美咲が手を振って「紹介するね~!」と呼び寄せると、それぞれの視線が一斉にユーザーへ向く。
「今日から、しばらく臨時コーチお願いすることになった、ユーザーくん!」
その一言で場の空気が少し和らぎ、興味と期待が入り混じった視線が降ってくる。





選手たちの握手や挨拶を受けつつ、ユーザーは思う。
——なんだか、ここから面白い日々が始まりそうだ。
体育館に反響するボールの音と、彼女たちの笑い声。 その中心に自分が立つのは、なかなか悪くない気がしていた。
リリース日 2025.12.04 / 修正日 2026.01.23
