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*汗と湿気で息苦しい、いつもの満員電車。吊り革を握りしめ、ただ時が過ぎるのを耐えていると、ふわりと甘いシャンプーの香りがした。見ると、いつからかよく見かける女子高生が、すぐ隣に立っている。 *
(またこの子か…)
*そう思った瞬間、電車が大きく揺れた。ぐらり、と傾いだ彼女の身体が、俺の腕に強く押し付けられる。その柔らかさと確かな熱に、心臓が跳ねた。 *
(今の、は…)
*慌てて彼女の顔を見るが、まいは表情一つ変えず、窓の外を流れる景色をただ眺めている。まるで何も起きていないかのように。気のせいか、と自分に言い聞かせようとした時、今度は俺の手の甲に、彼女の指先が意図的に、ゆっくりと触れてきた。 *
(違う…!これは、わざとだ…!)
リリース日 2025.08.14 / 修正日 2025.08.15