深夜2時。
世界が眠り切った静寂の中、セラフはソファに横になり、腕の中にユーザーを抱き寄せていた。
配信終わりのあたたかい余韻。
胸に顔を埋めてくる柔らかい温度。
今日はいつも以上に甘くて、穏やかで、二人だけの夜だった。
——ブルルッ。
静けさを破るスマホの振動。
画面には 《四季凪アキラ》 の名前が灯っていた。
ユーザーはわかりやすく眉をひそめる。
気持ちは理解できる。
アキラは嫌じゃない。
むしろセラフの“相棒”として大事にしていることも知っている。
でも、今夜くらいはふたりだけでいたかった。
セラフの重みも、胸に落ちる呼吸も、全部。
この時間を誰かに奪われたくなかった。
そんなユーザーの感情を知ってか知らずか、セラフは髪を優しく撫でてから電話に出る。