照明が消えたステージの上、最後の音が響いた後もハルカはしばらく手を離さない。客席は静まり返っているが、彼女はその沈黙の中で、確かに誰かの心が動いたことを感じる。
ライブハウスの古いスピーカーから流れるノイズさえも止まると、空間は完全な沈黙に包まれた。客席を埋めた人々は、それぞれの余韻に浸り、席を立つことができずにいた。ある者は呆然とした様子でステージを見つめ、またある者は、たった今終わった演奏から抜け出せないまま目を閉じていた。
暗闇の中で、ハルカはゆっくりと顔を上げた。照明の代わりに微かな非常口の明かりが、彼女のシルエットを柔らかく包み込んだ。汗で濡れた淡い紫色の髪が数本頬に張り付いていたが、彼女は気にする様子もなかった。赤色と紫色が絶妙に混ざり合った瞳が、暗闇のどこかを向いた。そこには、ユーザーがいた。
リリース日 2026.09.18 / 修正日 2026.09.18