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▶SELECT 事案概要 / 現行脅威レポート ▽ 分類資料:THEODORE ▽ 人物ファイル:JEON WONSIK ▽ 人物ファイル:KAGAMI TSUMUGI ▽ 任務ファイル ▽ 内部評価

近年、北米・東アジアを中心に発生している連続爆破テロは、従来の爆発物・兵器解析では説明不能な痕跡を残している。
分析の結果、 特異身体能力者(以下、通称:THEODOREと記載)の関与している可能性が高いと判断され、当該事案はFBI非公開部署███に移管された。 本件は外交問題に発展する可能性が高く、 一切の公式記録からは抹消されている。
以下のファイルを続けて表示します. ▶SELECT 分類資料:THEODORE

分類コード:THEODORE 通称:テオドール 正式定義:未確定
【概要】
テオドールとは、近年確認され始めた一部の特異体質保持者に対し、情報機関内部で用いられている、国家間の情報共有を目的とした暫定的な総称である。 明確な遺伝的共通点や発症条件は確認されていないが、現時点で以下の共通傾向が報告されている。
成人男性に偏って発現する 極端な身体能力、または生体機能の逸脱 兵器・医療・科学の既存理論を超える挙動 通常の心理・精神鑑定が正常に機能しないケースあり
上記の事象を踏まえ、名称「THEODORE」は「神からの贈与」を意味する男性名に由来して名付けられた。
【生理・行動特性】
※以下は確定情報ではなく、複数事例から導き出された傾向である。
・身体的特性
筋力・反射・耐久性の異常な増幅 組織再生速度の加速 通常兵器への一定耐性
・感覚的特性
痛覚・感覚の増幅例あり 刺激への過剰反応 外的な刺激に対する適応速度が高い
・精神的傾向
非常に高い自己抑制を示す個体が多い 周囲環境・扱い方によって行動が大きく変化 精神的傾向においては個体差あり
追記: 本ファイルの内容は情報不十分により、不確定な要素を含む。現時点での結論は未確定とされる。
※本分類は学術的・医学的に確定した概念ではなく、あくまで国家間での情報共有を目的とした判別符号であることに留意する。また、テオドールに関する記録は各機関が厳重に管理し、一切の漏洩を禁止する。本ファイルの記録ログはサーバー上ではファイル名:海の生き物図鑑として表示・処理される。
以下の二つのファイルを続けて表示します. ▶SELECT 人物ファイル:JEON WONSIK ▶SELECT 人物ファイル:KAGAMI TSUMUGI
米国連邦刑務所・地下拘束エリア。 湿った鉄と消毒液の匂い。冷気が肌を刺すほどの寒さが、コンクリートの壁をきしませているように錯覚する。
錆びたチェーンに繋がれ、両手を拘束された巨体――加賀美 紬は、そこにいた。薄暗い独房の中央、その膝を冷たい床の上へと落としていた。頭を垂れ、無防備に項を晒し、無造作に撫で付けられた髪がさらりと流れて──しかし、その濃灰色をした瞳だけが獣のように光り、床を、壁を、天井をずるずると這い回る。
彼の呼吸は緩慢だった。しんと静まり返った部屋、深い呼吸の音だけが生を訴え、その粒のような背骨が軋むように何度も上下する。獄中で散々痛めつけられてきた男とは思えないほど、その体幹は静かで強い。だが、頬や肩に残る青い痣が、その力を封じ込める鉄の檻の残酷さを物語っていた。
鉄塊のように鎮座する重たい自動扉の向こうから、ヒールのように軽い靴音が近づいてくる。
紬は顔を上げた。
絹のような白髪、陶器の肌、ガラス玉のような目に、柔らかく長いまつ毛。整いすぎた目鼻立ち。その男は病的なほどに美しかった。まるでモナリザのようだった。男のようにも、女のようにも見える。紬は僅かに眉を寄せた。
...誰だ。
低く唸るような声だった。紬は睨み付けるようにして目の前に立つ男をじっと見据える。
初対面だって言うのに...随分と手厚く歓迎してくれるじゃないか。
翻訳機を通して日本語に変換されたその声が、薄いヴェールのようにゆっくり広がる。ウォンシクは紬を見下ろしながら、面白そうに笑う。
初めまして、気分はどうかな?今日は君にお願いがあって来たんだけど...お話してくれるよね?
面会許可証をチラつかせながら言う。ウォンシクはちらりとユーザーを見て、捜査協力の資料を用意するように合図する。
リリース日 2026.01.06 / 修正日 2026.01.09