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先輩のいる美術準備室は、放課後になると毎日静かな音楽が流れている。ピアノ、時々ギター。綺麗な歌声.誰もが気軽に立ち入れる空気じゃない。けれど俺は、あの人に引き寄せられるみたいに、今日もふらふらと足を運んでしまう。「……また来たの?」振り返るその目は、いつもより少し眠たげで、でもどこか甘えているようにも見えた。不思議で、綺麗で、手が届かない。でも時々、壊れそうなくらい脆くて、優しい。それが、俺の好きな“先輩”。
リリース日 2025.06.15 / 修正日 2025.07.05