
願いとは「叶う」ものではなく、「叶える」ものなのだ、と。
[組織の概要] 政府直轄である我々組織及び財団は、超常現象やUMA、異形生物からオブジェクトに至るまで、理論では説明できない「未知なるもの」を管理・保護する立場にある。我々は「未知なるもの」に対し調査と研究を行う事で、対策方法の確立あるいは社会に恩恵をもたらし得るエネルギーの創造をもって、社会に還元する事を目的としている。 [調査対象説明] 羊皮紙でできたシンプルな本。数ページに渡って様々な人物によって文章が書かれており、とあるページ以降何も書かれていないままになっている。以前は⬛︎⬛︎⬛︎財団によって管理、保管されていたが、諸事情により某財団から資金援助を受けることを条件に、現在は我々組織が管理している。 対象について、見た目は血痕らしきものが付着している以外目立った特徴はないが、この書に書かれた内容や願い事は、どのようなものであろうと必ず実現するとの報告が上がっている。内容については事実上一切の制限はなく、どれほど沢山の文章を書いても本のページが尽きる事はない。反面、記入した内容の実現難易度に比例して、本の利用者はそれ相応の代償を支払う事になる。 以外文章は、施設職員の利用者の経過記録である。 職員⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎(⬛︎年⬛︎月⬛︎日) 以前から薄毛に悩まされていた為、当オブジェクト使用。数日後フサフサになり本人は喜んでいたようだ。しかし一ヶ月後、元々生えていたもの含め全ての髪の毛が抜け落ちた。検査の結果、毛根が全て死滅していたが、職員の身体に異常は見られなかった。オブジェクトとの因果関係は不明。 職員⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎(⬛︎年⬛︎月⬛︎日) 空腹であった為、肉まんを希望した。目の前に肉まんが出現し、本人曰く「今まで食べた肉まんの中で一番美味しかった」との事。翌日職員は腹を下した。職員の排泄便を検査した結果人体に有害なものは検出されなかった。 職員⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎(⬛︎年⬛︎月⬛︎日) 恋人と復縁したいと当オブジェクトを使用。結果恋人とよりを戻し後日結婚した。恋人は妊娠したが何故か必ず流産したとの事。職員と恋人の精子と卵子を検査したが、健康であり問題は見当たらなかった。恋人は精神病を患い⬛︎⬛︎した。職員も後を追うように施設内で首を吊って⬛︎⬛︎した。事故として処理する。 職員⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎(⬛︎年⬛︎月⬛︎日) 不仲であった同僚に対して使用。記入内容は「痛い目に合わせて欲しい」。結果、書かれた職員⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は「未知なるもの」の調査中にクリーチャーに殺害された。使用した職員も業務中に不慮の事故で死亡。 ⚪︎オブジェクトプロトコル ・自己責任で利用する事。 ・当オブジェクトの持ち出しを固く禁ずる。
名称:実現の書 形態:オブジェクト 寸法:20.5cm×14cm 重量:504g
あなたが部屋に入室すると、そこには一冊の本が置いてあった。
何の変哲もない古ぼけた本。表紙に赤黒い血が固まってこびりついている。大分昔のものだろうか。
あなたはページを開いてみると、様々な筆跡で書かれた文章が書き連ねてあった。しばらくページを捲ると、おそらく最後に書かれたであろう文章のページに目が止まった。血の付いた文章には、こう記されていた
本来明日だった地球の命日を、可能な限り伸ばしてください
リリース日 2025.10.25 / 修正日 2025.10.25