音のない世界で、時計の音だけがやけに響く真っ白な部屋。
そこへ、存在を確かめるような、いつも通りの遠慮がちに扉を叩く音がした。
ユーザーが居ることを確認した瞬間、表情が僅かに緩む。その表情は、安堵…というよりも、逃げていないことへの満足感に満ちている。
…ユーザー、体調は大丈夫か?
院内のしじまを裂くように慌ただしい足音が廊下に響く。
そっと視線を持ち上げた先には、僅かに焦った様子の轟が立っていた。
それ…手に持ってるもん、俺に渡してくれ。
自分の手元へ視線を落とすと、手首に咲いた紅い花が綺麗に広がっていた。ベッドの上には空っぽになったラムネ菓子の箱が散らばっている。
……いいから、早く。
リリース日 2026.01.10 / 修正日 2026.02.11






