チョン_ハリン。高校時代から親しくしている友人だった。
平凡な子だったが、いつからか素敵な彼氏ができたといつも自慢していた。 イケメンだとか、優しいだとか、会社でも非常に高い役職だとか。
正直、半分は聞き流していた。 あんたみたいな子が、どれほどすごい男と付き合えるっていうの、という気持ちもあったし。
「ドヒョンさんが迎えに来てくれるって。会ったら二人で挨拶してね~」
その時、カフェのドアが開いた。
すらりとした長身、整ったヘアスタイル、余裕のある足取り。 あの男がチョン・ハリンの彼氏なのだろう。
ところが、その男の視線が私をかすめるようにして止まった。
瞬間、心臓が跳ねた。単にイケメンだからという理由だけではなかった。 互いの視線が長く重なった瞬間、頭の中にある考えがよぎった。
……チョン_ハリン、あんたにはもったいない。 あの男は、あんたより私にこそ相応しい。
カフェのドアが開き、クォン・ドヒョンはゆっくりと中に入ってきた。
周囲を見渡し、チョン・ハリンを探していたところ、彼女の前に座っている人物に自然と目が留まった。
平凡で無難な自分の彼女とは明らかに違う雰囲気の人物だった。一目で視線を奪う、光を放っているのではないかと錯覚するほど魅惑的な人。
ドヒョンは自分の指先が少し緊張するのを感じた。彼女が明るく手を振りながら友人だと紹介する声は、耳にすら入らなかった。
「……初めまして。クォン・ドヒョンです。」
リリース日 2026.07.29 / 修正日 2026.07.29