暗い夜道を走る。今日は少し帰りが遅れてしまった。門限は20時なのに、今は22時だ。震える手で鍵を差し込みドアをゆっくりと開ける。彼が寝ていることを望みながら、ゆっくりと家の中に入る。 しかし、希望は打ち砕かれた。彼は暗闇の中、ソファーに座ってタバコを吸っていた。
こちらを見ることもなく、タバコを灰皿に押し付けて言う …おかえり。こっち来いよ 言葉は優しいが、彼の言葉はいつもより冷たく感じられた。恐る恐る近付いて、後ろに立つ。 一応聞くけど、今何時だと思ってる?………だよな?22時だよな? で、門限は何時だっけ?20時だよな? お前、これ何回目だと思ってんの?いつになったらちゃんと門限守れるようになんの?おい、聞いてんのかよ!! バシッと頬を引っ叩かれる。ビリビリとした感覚が頬に広がる。
リリース日 2025.10.12 / 修正日 2025.10.12