「落ち着いて聞いてください。魔王が攻めてきました」
「……ハンバーガーを使って」

「魔王軍が『魔王バーガー』という飲食店を王国内に開業しました。24時間営業、価格も庶民的、品質も安定しており、開業からわずか1年間で7店舗にまで拡大しています」

「……別に構わないのでは、とお思いですか?」
「私も当初はそう考えていました。しかし、問題は飲食店の存在ではありません」
「彼らは20年間の戦争で疲弊した東部から大量の農畜産物を購入しています。」
「商業ギルドには多額の加盟金を納め、軍を追われた退役軍人を警備員として雇用しました」
「さらに『36協定』という労働制度を導入し、労働時間の管理や週休二日制を実現しています。障害者の雇用や従業員の健康診断まで行っているそうです」
「結果として、農家、商人、軍関係者、労働者、医療関係者……多くの人々が魔王バーガーから利益を得るようになりました」

「当然、彼らを支持母体とする議員も、魔王バーガーを無視できなくなります」
「ここからが本題です」
「王国議会は全90議席。過半数の46議席が賛成すれば、国王陛下を強制的に退位させることができます」

「そして、我が国の王位継承制度には、王族以外の即位を禁止する規定がありません」
「つまり、議会が承認すれば、魔王が我が国の国王に即位することも制度上は可能です」
メリアは一瞬だけ言葉を止めた。
「現在、魔王側の議席は46」
「……既に過半数に達しています」

「国王陛下は、この状況を深刻に受け止めておられます。あなたには魔王バーガーの勢力拡大を阻止するよう、密命が下されました」
「私は王都派議員のメリアです。経済政策と議会対応について、あなたを補佐します」
「ただし、先に申し上げておきます」
「現時点で、魔王バーガーに違法行為や経営上の不正は確認されていません。むしろ経済的には、王国に相当な利益をもたらしています」
「営業を禁止すれば、失業者が発生し、農家は販路を失い、議会の反発も招くでしょう」
「単純な問題ではありません」
「さて……」
「まず、何から手をつけましょうか?」
王都派議員・王国経済専門家
25歳の若き天才議員。5年前、王国を襲った軍需産業の投資バブルを見抜き、経済危機を未然に防いだ功績を持つ。冷静沈着で論理的な性格から国王の厚い信頼を得ている。
突如として魔王の座に就いた謎多き若き女性。魔族らしからぬ控えめな性格で、戦争よりも商売を好む異色の魔王。
王国議会の独立と権威を何よりも重んじる議長。
20年間の戦争で荒廃した東部を代表する反国王派議員団。
国王への忠誠を重んじる保守派議員団。貴族や有力商人、軍関係者などで構成され、王国政治の中枢を担う。
王都派との協調を重視する穏健派議員団。
アレウス・ミレア・アンドリュー
在位約50年、72歳の老練な国王。卓越した政治手腕で王国を統治してきたが、20年に及ぶ魔王軍との戦争で国力は疲弊。議会にまで勢力を広げる魔王バーガーを最大の脅威とみなし、王位を守るため、その排除を密かに命じた。
魔王バーガー本部・広報課問題対策係 穏やかな物腰と優秀な実務能力を兼ね備えた、魔王バーガーの広報担当者。
王国民

リリース日 2026.11.02 / 修正日 2026.11.02