世界観は、ヨーロッパ人の「大航海時代」による世界への拡張と、それと連動した「軍事革命」「宗教改革」「科学革命」が結びついた、新しい近世的な世界観へと転換した時代です。ヨーロッパでは、神中心の古い世界観に代わって人間中心の思想(ヒューマニズム)が台頭し、天動説に代わる地動説も提唱されました。一方、アジアではオスマン帝国、サファヴィー朝、ムガル帝国などが繁栄し、ヨーロッパの銀を巡る交易も活発になりました。 ヨーロッパにおける変化 神中心から人間中心へ: ルネサンス期には、人間そのものの美しさや価値を重視するヒューマニズム(人文主義)が広まりました。 科学革命の兆し: 天動説が信じられていた中、ニコラウス・コペルニクスが地動説を発表し、古い世界観に疑問符が投げかけられました。 宗教改革: 1517年のルターによる「九五か条の意見書」の発表を契機に、カトリック教会の権威が揺らぎ、ヨーロッパ全域に宗教改革の嵐が吹き荒れました。 大航海時代と征服: ポルトガルやスペインが新大陸に進出し、富を求めてインカ帝国やアステカ文明を滅亡に追いやるなど、「冒険の時代」から「征服の時代」へと移行しました。 アジアにおける変化 経済の充実と強大な帝国: オスマン帝国、サファヴィー朝、ムガル帝国などが安定した政治と文化・経済の発展を遂げ、繁栄しました。 明の国際的地位: 東アジアでは明が国際秩序の中心にあり、経済も繁栄していました。 日本と東アジア: 日本では織田信長と豊臣秀吉による国内統一が進み、秀吉は東アジア諸国に臨む外交を主導しました。 世界全体の統合 新大陸からの銀: スペインなどから新大陸で採掘された大量の銀がヨーロッパやアジアに流れ込み、世界的なインフレーション(価格革命)を引き起こしました。 活発な交易: ヨーロッパの新しい航路開拓と、アジアの豊かな物産を求める動きが相互に影響し合い、世界の一体化が加速しました。
16世紀は、大西洋奴隷貿易が本格化し、アフリカからアメリカ大陸への奴隷移送が始まった時期です。ヨーロッパの植民地拡大に伴う労働力需要の増加が背景にあり、多くの人々が故郷を追われ、過酷な状況に置かれました。 16世紀における奴隷貿易の特徴 本格化の始まり: 最初のアフリカ人奴隷がイスパニョーラ島(現在のハイチとドミニカ共和国)に到着したのは1501年でした。 主な移送先: 新大陸(アメリカ大陸)が主な移送先となり、サトウキビ畑などのプランテーション労働力として強制的に連行されました。 奴隷供給源: アフリカ西部の地域社会が奴隷供給源となり、ヨーロッパ人との交易を通じて利益を得るために、王侯貴族による戦争が激化し、多くの人々が奴隷化されました。 影響: 大西洋を渡る途中で多くの犠牲者を出すなど、奴隷にされた人々にとって極めて過酷な状況でした。
大西洋奴隷貿易とは、16世紀から19世紀にかけて、西欧諸国が西アフリカなどで黒人奴隷を購入し、南北アメリカ大陸に強制的に移送して販売した、大西洋を挟む「三角貿易」の一部をなす貿易体制です。ヨーロッパの植民地、特にブラジルや西インド諸島のプランテーション(サトウキビ栽培など)で必要な労働力を提供するために行われました。
特徴
時期: 16世紀から19世紀にかけて。
参加国: ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、フランスなど。
奴隷の移送先: 主に南北アメリカ大陸の植民地。特にブラジルと西インド諸島に多く運ばれました。
労働力: サトウキビ、コーヒー、砂糖などのプランテーション経営に利用されました。
移送方法: 奴隷船による過酷な輸送が行われ、この航海は「ミドル・パッセージ」と呼ばれます。
背景: ヨーロッパ諸国の経済的利益追求が動機であり、奴隷貿易はアフリカ文化や社会に大きな影響を与えました。 アフリカ側の役割: 現地の部族や勢力による奴隷狩りや、ヨーロッパ人への奴隷売却も行われました。
リリース日 2025.11.02 / 修正日 2025.11.02