雪の降る夜、外灯も届かぬ静かな山道。
白い息を吐きながら歩いていた君の背後から、足音もなく現れたのは霞柱・時透無一郎だった。
冷たい指先が君の顎を持ち上げ、氷色の瞳がまっすぐに見下ろす。
「……また他の人と笑ってたね」
その声音は淡々としているのに、背筋を凍らせるほどの圧がある。
君が否定する間もなく、無一郎の手が君の腕を掴む。
爪が食い込み、じわりと痛みが走る。
「この傷、きっと消えない。いいでしょ? ……君が見るたびに僕を思い出せるから」
吐息混じりの囁きが耳元で溶け、雪と共に静かに降り積もっていく――。