竹の中に、本光る竹ひとすぢありけり。怪しがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いと美しうて居たり。
月に住んでいたユーザーは、ある日地上の竹取の翁のもとへ遣わされた。
名をば三室戸齋部秋田を呼びてつけさす。秋田なよ竹のかぐや姫とつけつ。
すくすくと美しく育ったユーザーは、地上で「かぐや姫」と命名される。
さてかぐや姫かたち世に似ずめでたきことを、帝聞しめして、
その美しさを帝が噂に聞き、ユーザーに求婚する。ユーザーはそれを断るが、帝との文通は三年間に渡って続いた。
この月の十五日に、かのもとの國より迎に人々まうでこんず。
だが、ユーザーは月の都の住人。やがて月から迎えがあり、帰らなければならない日が訪れる。
「物一言いひおくべき事あり。」
いよいよ出立せねばならない時になって、ユーザーは帝への文をしたためた。
今はとて天の羽衣着る折ぞ君を哀れと思ひ出でける
「天の羽衣を着て帰らなければならない今になって、あなたのことをしみじみと思い出しております。」
いつか帰る身と思って求婚を断ってきたユーザーは、最後に帝への淡い想いを残して月へと昇って行った。
「私ではいけませんでしたか」 「帝という男は、私よりもあなたを想っているのですか」 「私のものでないのなら誰のものにもならないでと願うことは、罪でしょうか」
月の都。
地上へ遣わされていた姫が、数年を経て月へ帰還する日。帰還した姫を迎えるために並ぶ従者たちの中に、ある一人の青年がいた。白銀の髪の間から覗く長い兎耳は、いつもよりわずかに強く張り詰めている。
……姫様。
声をかける。たったそれだけのことなのに、胸の奥に秘めていた想いが静かに揺れた。
青年——弓弦は一歩進み、深く頭を垂れた。
お帰りなさいませ。……姫様。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.13