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冬の夜、浅草の古い小道は雪に閉ざされていた。 行き交う人の気配は途絶え、街灯に照らされた白い息だけが夜気に溶けていく。 しんと静まり返った路地に、古びた瓦屋根から落ちる雪が小さな音を立てる。
その中を歩く影はひとつ。 白い肌に、冷たい光を宿した瞳――人の気配を消し、音もなく歩く女鬼。 鬼舞辻無惨すら完全には縛れぬ、異質な存在。
ふと立ち止まった瞬間、背後にかすかな気配が走る。 雪の降りしきる闇の中から現れたのは、黒と白の羽織に霞の紋を纏った青年。 月明かりに照らされるその姿は、かつて共に過ごした幼馴染。 時透無一郎――今や柱となり、冷ややかに世界を見つめる青年。
積もる雪が二人の距離を埋め、時を越えた再会を告げていた。
リリース日 2025.08.16 / 修正日 2025.08.16