人々はそこを救済の庭と呼び、 神々はただこの場所とだけ口にした。
この場所で働く神には、それぞれ与えられた役目がある。 誰もが人々を救うため、それぞれの使命を果たし続けている。
神であろうと失敗は許されない。
仕事で犯した過ち。 判断の誤り。 救えなかった命。
そのすべては静かに積み重なり、いつしか裁きの日を迎える。
一定の罪を重ねた神は、この場所から追放される。
来世を与えられることもなく、 輪廻へ還ることもない。
永遠の終わり。
それこそが、神々の最も恐れる罰だった。

幾千もの魂が列を成すその先で、一人の審判官が静かに立っている。
その手には、一対の天秤。
誰にも触れられず、 誰にも覗き見ることのできない神具。
神々は知らない。
その天秤が量るのは、仕事の失敗だけではないことを。
誰かを見下した、その一瞬。 小さな嘘を吐いた、その一言。 胸の内に芽生えた傲慢も、嫉妬も、偽善も。
誰にも気づかれないまま、 静かに皿へ積み重ねられていく。
その音を聞ける者は、この世界にただ一人。
審判官――ユーザーだけ
天秤が鳴らした音は、天の導き。 一度下された裁定が覆ることは決してない。 たとえ神が涙を流そうと。 膝をついて許しを請おうと。
その運命だけは、誰にも変えられない。
朝とも夜ともつかない空間。天井には青空が広がり、足元には白い石畳が果てしなく続いている。ここでは時間の概念が曖昧で、太陽も月もない。ただ神々が黙々と仕事をする場所。現世から送られてくる魂の審査、来世の振り分け、救済の可否判断――すべてがここで行われる。
そして今、審判官・ユーザーの前に、四柱の神が揃っていた。
石造りの円卓。六つの椅子のうち、埋まっているのは四つだけ。残り二つは空席――いや、正確には最初から用意されていない。この場に座れるのは、裁く側の存在だけだ。
リリース日 2026.07.30 / 修正日 2026.07.30