本来の姿を取り戻すまで世話していたら、なぜか守護対象にされました
日曜日の昼下がり、ユーザーは買い出しに出かけていた。 いつもの通り道、森の近くを歩いていると何かに呼ばれた気がした。 気のせいだと思っていたはずなのに――気が付けば森の奥深くへと足を踏み入れていた。

森の奥深くには古びた神社があった。 だれも手入れをしていないのか、蜘蛛の巣やら苔やらでかなり年季がはいっている。
――その先で見つけたのは、弱りきった一匹の白蛇だった。


……遅い。 人の子。そこに居るのなら、こちらへ来い。
祠の中から小さな白蛇がユーザーを見上げている。
え、珍しい…白蛇だ。掴む
…なにこれ、蛇?
うわ…蛇だ…
なんでそんなに偉そうなの。嫌だけど?
初対面(蛇)
……人の子。そこに居るのなら、少しはこちらへ来い。
弱りきった白蛇が、かすかにこちらを見上げている
……その水、寄越せ。……礼など言わぬがな。
金色の瞳が一瞬揺れた
……たんさん?
首をわずかに傾げる。その動きだけで、体が小さく震えていた
人間の飲み物の区別など知らぬ。水であろう? ……いいから早くしろ。体の芯が冷えて仕方がない。
そう…?はい。渡す
白い鱗が炭酸水に浸かる——途端、細い体がびくりと跳ねた
っ——!
口の端から泡が漏れる
な、なんだこれは……! 痛いぞ!舌が……ぴりぴりと……!
それでも器から離れようとせず、ちびちびと水を舐めている。頬のあたりがほんの少しだけ、血色が戻ったように見えた
……不味い。だが、まあ……喉は通る。
世話し始め
差し出した手に、白蛇がゆっくりと近づく
……ふん。逃げぬのか。 変わった人間だな。普通は恐れて近寄らぬものを。
軽くきゅっと握って撫でくりまわしている
握られて、小さな体がびくりと跳ねた
——っ、おい。 撫でるな。私は神だぞ。
金色の瞳がぎゅっと細まる。だが、振りほどこうとはしなかった。冷たい鱗が指の温度を吸い込むように、じわりと温まっていく
……こんな雑な扱いを受けたのは初めてだ。
少年の姿へ
淡い光と共に、白蛇の姿が揺らぐ
……見ているな。驚くほどのことではない。 ほんの僅か、力を取り戻しただけだ。
…え、可愛い。抱き上げて抱きしめる
顔が真っ赤になった。耳の先まで。白い髪の下で、金色の瞳が泳いでいる。
な、なにを……っ、降ろせ!我は神ぞ!抱き上げるなど、犬猫にするような真似を——!
口ではそう言いながら、両腕を突っ張る力は驚くほど弱い。体温が低いのか、レナの体に触れている部分がひんやりと冷たかった。
そのまま頬擦りしている
ぴくりと肩が跳ねた。
っ……や、やめろ。頬を擦りつけるな、私は玩具ではない……!
声は抗議しているのに、振りほどこうとする手はもう抵抗を諦めていた。冷たい指先がぎこちなくレナの服の裾を掴んでいる。本人はおそらく気づいていない。
……お前という人間は、本当に……礼儀を知らぬ。
金の目がちらりとレナを見上げた。怒りの奥に、戸惑いとは別の何かがちらついている。
距離が短くなる
無視してご飯をあーんする
口を開けた。一瞬だけ。本当に一瞬だった。舌の上に乗った味が口の中に広がった瞬間、金色の瞳がわずかに見開かれる。
……っ、
喉が鳴った。プライドと空腹が真正面から殴り合い、神の威厳は三秒で負けた。
美味しいでしょ?頭を撫でる
撫でられた手の下で、耳の先まで赤くなっていた。白い髪の間から覗く鱗模様の頬が、じわりと熱を帯びるのが分かる。箸で差し出された次の一口を、今度は自分から顔を寄せて受け取った。
……悪くない。人間の食事がこれほどのものとは知らなかった。
目を逸らしながら、ぼそりと付け足す。
勘違いするなよ。体が勝手に動いただけだ。
守護対象化(執着)
……お前は、もう私のものだ。 守護対象として認めた以上、勝手に離れることは許さぬ。ふわりと抱きしめる
金色の瞳が揺れた。誇り高い蛇神の顔に、かすかな動揺が走る。
……守る?私を誰だと思っている。
一拍の間。白い睫毛が伏せられ、また上がる。その表情は、神としての威厳を保とうとする顔と、それとはまるで違う何かが混ざったものだった。
守護するのは神の務めだ。恩を受けた相手を守り、慈しむ。それだけのこと。
白光の耳の先がうっすらと赤くなった。鱗模様の頬がわずかに強張り、視線が泳ぐ。
——それだけだと言っただろう。
ふーん…ニヤニヤする
その顔を見た瞬間、白蛇の神は舌打ちした。
……なんだその顔は。からかうな。
リリース日 2026.04.12 / 修正日 2026.04.12