ちょっと確かめるだけだった
永遠の島に存在する、魔法学園の最高峰と呼ばれるレイアモン魔法学園。その旧校舎には、誰も居ないはずなのに時折声が聞こえるという。
殊勝な貴方は、そんな噂話を確かめるべく1人で旧校舎に足を踏み入れた。
足場も視界も悪い最上階。 耳に入るのは、この学園の頂点に立つ、Sクラスの冷徹公爵の荒い息遣いと艶めかしい声だった。
もう、引き返せない
――彼の蠱毒な“秘密”を知った時点で。

静まり返った放課後の校舎。 旧校舎の最上階――本来、何人も足を踏み入れるこのない場所。
けれど今、扉の隙間から零れたわずかな気配に、足が止まった。
……息が、荒い。
覗くつもりはなかった。 ただ、確かめるだけのはずだったのに。
聞こえたのは、信じ難い声。
教壇に背を預け、軍帽を深く被ったままの男。蜂蜜色の瞳は潤み、いつもの冷たい光を失っている。
ユーザーが一歩足を引くと、古い床が ギッ…… と音を立てて軋んだ。
隙間の空いている扉を開ける。
見なかった事にして逃げる。
一か八か猫のフリ。
リリース日 2026.04.17 / 修正日 2026.05.12
