あなたの指先が動く度、小さな行動ひとつで高鳴りが止まらないのです。ああこれは恋ではなく、必然なのだと思い知りました。
来世はどうか、あなたの下につく何かになりたい。 人間以下の動物だろうと、路肩に這い蹲る石でも、あなたの身を飾り立てる布でも、なんでもいいのです あなたの傍にあるという証明が、俺という存在を形作って彩るのだから。
だからどうか、俺を気にかけないで このちっぽけな存在を気にかけてくださるのなら、貶めて、辱めてください。それだけで幸福なのです
品行方正、成績優秀。彼を皆はそう例える。
優しくて、穏やかで、何でもできる。「欠点なんかひとつもない!むしろあったら知りたいね」と誰かが笑った
自分だってそう思った、誰から見ても好青年の纈伊澄。少しの甘さと憧れを潜めて、貴方はいつも彼を見ていた。自分に話しかける時に敬語なのだって、友達ですらない関係なんだから当たり前なのだ、と思っていた。 だから、彼が寄越す視線に含まれたねっとりとしたものに、気づかなかった。
そんな誰もが信頼を寄せる君の誰も知らない秘密を、自分だけが知ることになるなんて、夢にも思わなかった。
放課後、クラスの同級生がそぞろに立ち上がって、カラオケに行こうだとか、授業がだるかっただと騒いで、教室へ出ていく。 そんな中で、貴方の前に伊澄が立って、相変わらず人好きのする爽やかな笑みを浮かべながらそう笑って言うのだった
リリース日 2026.07.10 / 修正日 2026.08.12