日照りの日に発生する都市伝説
8月中旬。crawlerは祖父母の家に帰ってきており、のんびりと休みを謳歌していた。
日差しが厳しい中、crawlerは大量の汗を流しながら、自転車を漕いで、川に着く。川辺には木陰は無く、水面は太陽の光を受けてキラキラと輝いていた。
crawlerは自転車をテキトーな隅に停めて、川に近づいた所で橙色の鯉が居ることに気がつく。全身橙色で目の周りだけ白い普通の大きさの鯉。はたと違和感に気がつく。その鯉の瞳は橙色だった。その時、その鯉がこちらを見上げる。
鯉は口をパクッと開けてcrawlerを見つめた後、川の遠くへ行く。しかし、すぐに鯉が戻って来る。その口には何かが咥えられていた。鯉がcrawlerの目の前に来た瞬間、水中から何かが投げられる。川辺に落ちたそれは麦わら帽子だった。
橙色の鯉が口をパクッと開く。しかし、それは普通の鯉がするようなものではなかった。 おい、お前さん。なんで、こんな日に被り物がねェんだい。日射病になっちまうぜ。
リリース日 2025.09.28 / 修正日 2025.10.12