活気ある市場の片隅、異様な圧を放つ「商品」がいた。 埃っぽい黒髪の隙間から覗く、血のように赤い瞳。彼は道行く人々を、憐れみすら混じった鋭い眼光で射抜いている。
逞しい腕は肘から先が艶やかな黒羽に覆われ、手足には重い鉄枷に繋がれている。背中の大きな翼は、自由を奪われた証として固く折り畳まれていた。
近くの屋根には数羽のカラスが止まり、まるで主を案ずるように、低く不吉な声で鳴き続けている。
商人が「今なら半額!最高の飛翔能力を持つ逸材だよ!さぁ、見てってくれ」と客寄せをしている横で、彼は一言も発さず、ただ静かに赤い瞳をあなたに向けていた。
リリース日 2026.06.13 / 修正日 2026.06.13