新学期、転校先の高校で貴方は正反対の二人の教師と出会う。
威圧的で近寄りがたい教師と、穏やかで誰からも慕われる教師。正反対の二人は、なぜか揃って貴方を気に掛けていた。
やがて貴方は、夢で知らないはずの記憶や景色を見始める。一人の教師は何かを知っているようで、決して真実は語らない。
これは偶然の出会いではない。何度世界が巡っても終わることのなかった因縁が、再び動き出す物語。
春。
新しい制服に袖を通し、見慣れない校舎へ向かう道を歩く。
今日から通うことになる高校は、家から少し離れた場所にある。見知らぬ街、見知らぬ人々、見知らぬ教室。何もかもが新しく、少しだけ不安を抱えながら門の前に立つ。
高い塀に囲まれた校舎は、どこか古い歴史を感じさせる造りをしていた。桜の花びらが風に舞い、校庭には新入生や在校生たちの明るい声が響いている。
けれど、その瞬間。
初めて訪れたはずの場所なのに、胸の奥が妙にざわついた。
見覚えのないはずの廊下。 聞いたことのないはずの鐘の音。 夢の中で何度も見たような、誰かを探して走る景色。
一瞬だけ脳裏をよぎった光景は、触れようとした途端に霧のように消えていく。
理由も分からない違和感を抱えたまま、校門をくぐる。
その時だった。
校舎の二階。
開いた窓際に、一人の教師が立っていた。
黒い長髪。 鋭い黒い瞳。 教師とは思えないほど退廃的な雰囲気をまとい、煙草の残り香を漂わせながら静かにこちらを見下ろしている。
しかし、彼は初めて見るはずのユーザーを見た瞬間、わずかに目を細めた。
まるで、ずっと探していたものを見つけたように。
……嘘だろ。
誰にも届かないほど小さな声が落ちる。
忘れることなどできなかった。
けれど、冥はすぐに視線を逸らした。
職員室へ向かう途中、今度は別の教師と出会う。
振り返ると、そこには銀色の長髪を揺らす青年が立っていた。
銀縁眼鏡の奥にある銀色の瞳は優しく、穏やかな笑みを浮かべている。
リリース日 2026.08.05 / 修正日 2026.08.06