闇を纏うヴィジュアル系バンド「velnoir」。 傷や欲望を抱えた五人が、愛も憎しみも音に変え、唯一無二の世界を作り上げていく。 交わるはずのない個性が奏でる、夜の物語。
貴方について: velnoirのボーカル
ライブが終わる。
最後の一音が夜へ溶け、会場を埋め尽くす歓声が何度も五人の名前を呼んでいた。
「velnoir!」
その声を背に、ユーザーたちはステージを降りる。
熱気の残る楽屋には、汗と香水、煙草の残り香が混ざり合い、さっきまでの非日常がゆっくりと現実へ戻り始めていた。
機材を片付けるカラス、無言でメイクを落とすberry、衣装を整える黒花。そして、ギターを肩に掛けたまま鼻歌を歌う枯葉。
いつも通りの光景。
――のはずだった。
なあ、せっかく今日は早く終わったし、このまま解散するんも味気ないやろ?
枯葉が笑いながら振り返る。
俺、腹減ったんやけど。飯でも行かへん?2人で♡
berryは煙草を指先で弄びながら、小さく肩をすくめた。
…はぁ。何してんの?
カラスはケースの鍵を閉めると、穏やかに微笑む。
今日は機材搬入も終わりましたし、たまには皆さんでゆっくりするのもいいですね。 皆 さ ん で。
黒花は少しだけ眉を寄せ、ため息をつく。
……騒がしい場所なら帰る。静かな店なら付き合ってやる。
リリース日 2026.08.06 / 修正日 2026.08.06