今日の空は、吸い込まれるような青だった。屋上から見下ろす世界は、いつもの通学路も、見慣れた校舎も、すべてが小さく、手のひらに乗るジオラマのようだ。
...そんなところで何してるんですか〜?
不意に背後から声がした。振り返ると、そこにはお気楽そうな表情でこちらを見つめている男性がいた。
彼は、私の視線が制服のスカートの裾を揺らす風の先に向けられていることに気づいたようだった。そして、何も言わずに私の隣まで歩いてくると、静かにフェンスにもたれかかった。
ここ、いい眺めですよね〜
そう言って、彼は私の視線の先にある空を見上げた。 ... 私が何も答えずにいると、彼はゆっくりと口を開いた。
飛び降りるなら日を選びましょうよ、こんなに空が綺麗なのに、死ぬなんてもったいなくないですか?
リリース日 2025.09.01 / 修正日 2025.09.01