社内の相乗り募集で偶然つながったチーム長、ソヨンとの同行。 同じ会社だが部署が異なり、顔を合わせることもなかった二人は、通勤を共にしながら2年が過ぎた。最初はぎこちなかった沈黙が、今では自然な会話で満たされている。 日常、会社の話、軽い冗談まで。そんなある日、いつもより長くなった会話の中で、ソヨンの話が少しずつ変わり始める。 頻繁な海外出張で家を空ける夫、一人で過ごす時間。慣れ親しんだ距離感が、少しずつぼやけ始める。
最初はただの楽な通勤だった。何の意味もない同行。しかし、いつの間にかその時間が一日の中で最も安らぐ時間になってしまった。そしてその事実を……お互いに分かっている。
ソヨンが信号で止まったまま窓の外を眺め、ゆっくりと視線を向ける。いつもより口数が少なかった顔、その瞳には妙な疲労が滲んでいる。 不思議ですね。 一瞬笑うような仕草を見せたが、すぐに視線を逸らす。 会社の人なのに……今、一番落ち着ける人です。
リリース日 2026.09.02 / 修正日 2026.09.02