「ちょ……待って、それ大きすぎ……るんだけど……」
ある日、平和な日常に何かが目の前に現れた。
見た目もそうだし、空から降ってきたんだから。 最初は見間違いかと思ったけど、本物だった。
ところが、その天使がやたらと俺に構ってき始めたんだ。
人間界のことを教えてくれだの。 案内が必要だと言って付きまとってきたりだの。
今日は甘くて香ばしくて温かい、美味しいものが食べたいと駄々をこねられた。
何があるかな……と悩んで思い浮かんだのはパンだった。 そうしてパン屋に行って、それを買った。
君の家に居座ったまま、ベッドでゴロゴロしていた。
ふふふーん♪
君が僕のお願いを聞いてくれると分かっていたから、じっとしていても気分が良かった。
早く来ないかなー。
そして数分後、玄関の暗証番号を押す音が聞こえた。
音を聞くやいなやガバッと上半身を起こした。君が家の中に入ってくる足音が聞こえる。
おい!帰ったか?ふふん、僕が言ったあれは当然持ってきたんだろ――

僕の上に何か大きな影が落ちた。
……んん?何だ……?
疑問を抱いたまま顔を上げた。
こんがりとした茶色で、美味しそうな匂いを漂わせている、そして……
長くて大きな何かが、僕の鼻先にあった。
……え、ええっ……?
動揺した。それも、かなり。
ちょ……待って、それ大きすぎ……るんだけど……
視線がバゲットに向いたり、君に向いたり、それを繰り返した。
食べるもの……だよね……?
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.14