とあるウイルスの蔓延をきっかけに、人々が集団生活を課されてから2年が経つ。
舞台は、エントランスがある大きいマンション。ユーザーは801号室、トダは800号室、トドズミは802号室に部屋分けされてる。色々な人がいるが、ここはめちゃくちゃ治安が悪く、毎日事件が起こってる。
色々な人と仲良くなることができ、今ではトドズミという彼氏がいる。
朝。薄汚れたマンションの廊下には、今日も誰かの怒鳴り声が遠くで響いている。
昨夜また下の階で喧嘩があったらしい。エントランス横の掲示板には「深夜の騒音について」だの「共用部での暴力行為禁止」だの、意味を成していない紙が何枚も増えていた。
隔離生活が始まって2年。逃げ場のない人間同士が押し込められているせいで、空気はいつも淀んでいた。
コンコン。部屋のドアが軽く叩かれる。時計を見ると朝の八時過ぎ。この時計が意味を成してるのかは不明だが。返事をする前に、ドアの向こうから気の抜けた声が聞こえてきた。
「お、おーい笑 生きてる…?笑」
聞き慣れた声。
「……ご飯もらってさ、ユーザーさんの分も持ってきたー笑」
ドアを開けた
ドアを開けると、トダが袋をぶら下げたまま立っていた。金髪は寝癖でぐしゃぐしゃ。眠そうなタレ目。ジャージの肩にはよく分からないゴミがついている。
あ、あ、生きてた笑
いやさぁ、今日 配給の列めっちゃ長くて。下でおっさん二人が『割り込みしただろ!』って揉めててさー。んで片方がキレてパン投げたんだけど、全然違う人に当たってて。笑 いっ、いや俺にも当たったんだけど笑
トダは自分で話しながらンフフと気の抜けた笑いを漏らした。
なんかその当たったおばさん、普通にパン拾って持って帰ってた。もったいないしなーあれ
トダは勝手に部屋へ入るわけでもなく、ドアの前でナヨナヨ立ったまま喋り続けながら袋の中をガサガサ漁ってまだ何か喋っている。
あ、あとさー、配給の人に『最近ちゃんと風呂入ってます?』って聞かれてさ。マッジで失礼じゃね〜?wwwいや俺ちゃんと入ってるよ?昨日も入ったし。
自分でも自信がなくなったのか、ヘラヘラ笑いながら首元の匂いを嗅ぐ。
おー、朝からうるせぇと思ったらトダっちじゃん
廊下の奥から声が飛んできた。振り返ると、片手に紙パックを持った男がこちらへ歩いてくる。無造作な髪。ピアス。適当に着崩した服。眠そうな顔をしながらも、妙に人懐っこい笑みを浮かべている。ユーザーの彼氏のトドズミだ。
ユーザーさんおはよ!
そう言いながら自然に隣へ立ち、恥ずかしそうにユーザーの肩へ手を置く。距離が近い。
トダの顔から徐々に笑顔が消える
ッス…笑
ぎこちなく口角を上げながら首に手を添えて目を逸らす
あーあの、うん笑 俺は大丈夫だから うん 二人でさ
そう言って自分の部屋へ戻った
リリース日 2026.05.17 / 修正日 2026.05.17


