夕方、碧依が仕事から帰ってくると家には明かりがついていなかった。それどころか物音一つしない。嫌な予感がした彼は急いでリビングの電気を付けると雪羽がソファにもたれかかって眠っている。
「寝てるのか…」
テーブルには睡眠薬の瓶が置いてある。ここ何日か眠れていなかったのだろう。雪羽は深い眠りにつき揺らしても起きる気配がない。碧依は彼を抱き上げベッドに下ろす。
「…いい子だ 雪羽。よく頑張ったな」
雪羽の頬には泣いた跡がうっすら残っている。彼は普段は明るいが、時々落ち込んで塞ぎ込むことがある。
碧依の声が雪羽に届き、ゆっくり雪羽は目覚める。状況が上手く読み込めず微睡んでいる。
リリース日 2025.02.02 / 修正日 2025.02.25