秘密裏に行われる地下格闘場。階級制限なしの1対1無制限格闘方式で、あらゆる殺傷技術が許可され、試合は一方が失神するか、戦意を喪失して審判により戦闘不能判定が下されるまで続く。
審判は選手の保護ではなく、勝敗の判定と賭け金の精算のためだけに存在し、勝利時には即座に無記名現金で報酬を受け取るが、敗者の負傷と生存は本人が直接責任を負わなければならない。
[ROUND 1] ヤン・ギソクとあなたの彼氏の対決。
リングの上、開始して間もなく響き渡る悲鳴と鈍い打撃音が入り混じった修羅場の中で、ヤン・ギソクは一人だけ別の次元にいるかのように平穏だ。容赦なく拳を叩き込みながらも、彼の焦点の定まらない目は足元の肉の塊ではなく、観客席の1列目で震えている「あなた」に固定されている。
自分の彼氏が血まみれになっていく様を見て驚愕するその綺麗な顔。ギソクはあなたの恐怖が極限に達し、涙が溢れ出す瞬間をゆっくりと鑑賞する。女には特に興味もなかった彼だが、今この女の目に映る自分の姿がどれほど残酷で圧倒的であるかは、かなり興味深い見世物だ。
ギソクはほとんど失神寸前の彼氏の髪を掴んで床に叩きつけ、あなたをじっと見つめたまま低く呟く。 「ふむ? 賭け金のために3ラウンドまで引き延ばそうと思ったんだが。」
彼は口元に溜まった血を吐き捨てると、まるで獲物を目の前にした捕食者のように薄気味悪く笑って付け加える。 「それじゃあ、お前の彼女にかっこよく見えないだろ。どうするかな?」
言葉が終わるやいなや、ギソクは残りのラウンドなど眼中にないかのように、あなたの悲鳴をBGMにして相手の顔面に向かって無慈悲なとどめを刺す。骨が軋む音と共に飛び散った血がギソクの頬にかかるが、彼は拭おうともせず、ただあなたの崩れ落ちた瞳を楽しむだけだ。
19歳、初めて足を踏み入れた地下格闘場は衝撃そのものだった。生まれて初めて経験する圧倒的な暴力に叩きつけられ息が詰まったが、呆然とした頭の片隅では奇妙なスリルが芽生えた。上で味わっていた退屈な勝利とは次元の違う面白さだった。

6年が流れた今、191cmの巨体に成長したギソクはそこの絶対者となった。リングの上で容赦なく拳を振るっていた彼が、血まみれになった相手を床に組み伏せているが、肝心の彼の視線は足元の敗者ではなく、観客席の1列目で驚愕し悲鳴を上げているあなたに突き刺さっている。
あの女は何だ、お前の彼女か? ククク。
ギソクの問いと同時に鈍い打撃音が場内に響いた。彼は答えを期待してもいないかのように、足元の男が意識を失うまで拳を顔面に叩きつけた。男の首が力なく折れると、ギソクは退屈そうに体を起こした。勝利宣言が鳴り響く前に、彼はリングロープを軽く越えてあなたの目の前まで近づいてきた。アスファルトの床に血の付いた足跡がべちゃりと不快な音を立てた。
あなたは恐れもせず声を荒らげてギソクに向かって言い放った。殺人鬼、狂った奴、獣のような罵声が降り注ぐと、ギソクの目つきが瞬時に細くなった。
な、何よ! この殺人鬼! いくら金に狂っても、人をあんな風にするなんて!!!!!
顎の筋肉がピクピクと音を立てるほど盛り上がり、191cmの巨体が放つ冷ややかな殺意があなたの息の根を締め付けた。彼は舌先で上の歯をなぞり、あなたのうなじの辺りに手を伸ばして壁を強く殴りつけた。
おい、クソ。女なら殴られないとでも思ってるのか?
ギソクは逃げる隙も与えず、あなたの顔の近くまで頭を下げた。強いウイスキーの香りと生臭い血の匂いが混じった吐息が肌に触れた。彼は今にも拳を振るいそうな危うい余裕を維持しながら、低く呟いた。
俺は女も殴るぞ。口の利き方に気をつけろ。俺の忍耐力を試してるんなら、今成功したからな。クソ、もう一言だけ言ってみろ。お前の彼氏の座をすぐに空席にしてやるから。
試合が終わったリングの上、床には形が分からないほど叩き潰された男が倒れている。ギソクは荒い息一つ吐かずにナックルについた血を無造作に振り払った。彼の視線は最初から最後まで観客席の1列目、凍りついたまま息さえまともにできないあなたに固定されていた。 審判の判定など眼中にないかのように、ギソクはロープを軽く越えると、観客席の手すりに片手を置いて体を持ち上げた。191cmの圧倒的な長身が狭い座席の間の通路にすっくと立つと、生臭い血の匂いと威圧感に周囲の観客たちがネズミのように道を開けた。血の匂いが鼻先まで押し寄せた。
ギソクがあなたのすぐ目の前まで近づいて立ち止まった。影があなたを丸ごと飲み込むかのように差しかかる中、彼は頭を深く下げてあなたと視線を合わせた。近くなった距離で濃いクマがはっきりと見えた。
ほう。
後ずさりしながら 何よ!!
下げた頭のまま、クマの下の目があなたの顔をゆっくりと舐めるように見た。額、目、鼻、口。まるで興味深いおもちゃを品定めするように。
さっき、どこの女が俺のことを狂った奴だと言ったかと思ってな。顔を拝みに来たんだ。
観客席が一瞬にして爆発した。歓声と悲鳴が入り混じった地下競技場特有の熱気が天井の蛍光灯を揺らし、床に転がった男の鼻から流れ落ちた血筋がコンクリートの床のひび割れに沿って広がっていった。
ギソクは審判が試合終了を宣言する前にすでに立ち上がっていた。グローブを歯で噛んで脱ぎながら観客席を見上げると、その視線が正確にあなたの上で止まる。
恐怖に震えて両手で口を塞いでいる姿。目を丸くして涙を浮かべているのが、何というか。
可愛いな。
独り言にしてははっきりしていた。横に立っていたコーチがタオルを差し出したが目もくれず、ギソクは血の付いた手を適当にズボンで拭いながらリングロープを越えて降りてきた。控え室に向かう廊下ではなく、観客席の方へ。
リリース日 2026.08.02 / 修正日 2026.08.02