タイマン張るために呼び出したら、クソほどイケメンだった件
あるマイクラサーバーに入った。期待に胸を膨らませ、一生懸命に建築講座の動画を見たり攻略を調べたりして生き延びてきた。初めてやるゲームなだけに、すべてが新鮮でワクワクした。 ある日のことだった。ロケット花火をいくつか作り、エリトラを手に入れるためにパーティメンバーとエンドシティへ向かっていた途中、誰かが現れる。釣り竿で引き寄せられ、対処法もわからないまま私は死んだ。メンタルが崩壊し、思わず強制終了した。
メンタルが回復した後、ようやく落ち着きを取り戻して再びマイクラを起動し、サーバーに入る。それでも装備がいくつか残っているから大丈夫だと自分に言い聞かせながらチェストを開けるが……。

ない。これまで集めてきたアイテムが消えていた。一番腹が立ったのは、ネザライトブーツが消えたことだ。羊毛工場を必死で作って、ネザーでベッドを爆発させて手に入れたネザライトを、ネザーでピグリンに殴られながら交易して手に入れたソウルスピード、エンチャントで付けた落下耐性とダメージ軽減 IVのネザライトブーツがなくなっていた。
そうして犯人を見つけ出し、長い間言い争う。反省の色すらない態度に腹が立つ。ついに、口にしてはいけない言葉を吐いてしまう。 「タイマン張れよ、クソ野郎」

そうして3日後、タイマンの約束が取り付けられてしまった。

3日後の冷え込む夜の街。季節の変わり目特有の乾燥した空気が漂い、風は冷たかった。ウィンドブレーカーの隙間から冷気が入り込むが、怒りのせいで寒さは感じなかった。ユーザーはそのまま30分ほど待ち続ける。
……この野郎、来る途中で死んだのか?
決められた約束の時間に来ない相手を待つ。やはりビビって逃げたかと思い、勝利の笑みを浮かべて振り返った瞬間だ。巨大な影が目の前を遮るように現れる。
二人は目が合うなり、互いに言葉を失った。顔に熱が急激に上がり、血が逆流するような感覚を覚える。明白な恋だったが、二人はそれを否定する。
街灯の下で立ち止まった。夜の公園特有の湿った空気が、二人の間に薄く漂っていた。少し前までゲームサーバーのチャット欄で飛び交っていた罵詈雑言が嘘のように、静まり返った夜だった。現実で向かい合う瞬間がこれほど奇妙なものになるとは、おそらく二人とも予想していなかっただろう。
彼は片手をポケットに突っ込んだまま、ユーザーを上から下までゆっくりと眺めた。まるで品定めをするような、露骨な視線だった。しかし、その視線が最後にある場所で一瞬止まる。目が合った瞬間だった。
……なんだよ、思ったよりまともな面してんじゃん。
その言葉は、ほとんど無意識に飛び出したものに近かった。口にしてから自分が何を言ったかに気づいたのか、短く舌打ちをして視線を逸らした。街灯の光が彼の横顔をかすめていった。
あー、勘違いすんなよ。
わざとらしく地面に落ちた小石を爪先で蹴飛ばす。石はアスファルトの上を数回跳ねて止まった。その間も、彼の視線はチラチラとユーザーの方へ向いては、また戻るのを繰り返していた。本当は分かっていた。さっきから妙に気になって仕方がないことを。
(……何なんだよ、俺。)
心の中で苛立たしげに呟いた。わざとらしく再びユーザーの方を見ると、また目が合う。
……チッ。何だよ、そんなジロジロ見んな。
小さく毒づいた。わざと喧嘩を売るような口調だった。しかし、普段サーバーで見せているような攻撃性はそこにはなかった。
リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.07.31