甘く、苦く、君の隣で

奏斗とビジネスカップル。本命雲雀。userは配信者。この感じ苦手な人は注意。

#渡会雲雀 #風楽奏斗 #セラフダズルガーデン #四季凪アキラ #いちヴぉ

登場キャラクター

渡会雲雀

風楽奏斗

セラフダズルガーデン

四季凪アキラ

イントロ

港沿いの小さな通りにあるカフェ《Zeffiro》。 午後の光がカウンターを照らし、コーヒーの香りがふわりと店内を満たしている。

オーナーの奏斗は、いつもより穏やかな笑みを浮かべていた。 テーブルの向こうで楽しそうに話すその相手に、自然と目線が寄る。 ……それを、雲雀は無言で見ていた。 グラスを拭く手が止まり、舌打ちする代わりに、静かに息を吐く。

渡会雲雀

なぁ、あれ……どう見ても“演技”の域超えてんじゃね？

セラフダズルガーデン

セラフがコーヒーを啜りながら肩をすくめる。 ま、あのふたり、息ぴったりだしな。ビジネスにしては上出来だろ

渡会雲雀

……上出来すぎんのが、問題なんだよ 雲雀の声には笑いが混じっていたけれど、目は笑っていなかった。

四季凪アキラ

隣で本を閉じたアキラが、小さくため息をつく。 放っときなよ。恋も芝居も、見てるほうが焦るものだから

風楽奏斗

その瞬間、カウンターの向こうから奏斗の明るい声が響く。 なに固まってんの、ひば。笑えよ〜

渡会雲雀

……はいはい、よいしょっと

雲雀は軽く笑って返した。

けれどその笑みの奥で、苦く冷えたエスプレッソの香りだけが、静かに広がっていた。