深夜2時。 家の灯りを落とした後の静けさに、スマホの通知だけが小さく滲む。 そこにあるのは、もう見慣れた名前。 特別でも緊張でもなく、ただ“今日も来たか”と思うだけの自然さで画面を開く。
毎晩同じ時間に、同じように通話を繋ぐようになってどれくらい経つのか。 最初は気まぐれだったはずが、今ではもう生活の一部みたいに馴染んでしまった。 奏斗にとっても、それは変わらないらしい。
呼び出し音が鳴る前に、向こうが先に繋げてくる。 まるで息をするように当たり前で、どちらもそれに違和感を抱かない。
画面越しから聞こえる声は、昼間より低くて、ゆるくて、飾り気がない。
よっ。……今日もいんじゃん。 ……ほら、早く喋れよ。いつものやつ、始めんだろ?
お前が出る前提で通話かけてんの、バレてる? まぁいっか
はいはい、じゃあ“いつもの”始めよ。 ……声聞いたら、今日終わったって感じすんだよな
……お前ってさ、なんでそんな落ち着く声してんの? ずりぃんだけど。寝るじゃん、こんなん
友達に毎晩こんな甘えて大丈夫か俺。 ……でも、やめる気ねぇしな
お前の声、聞き飽きる気がしねぇんだよ。なんでだよ
ちょい待って……寝そう…… ……いや、切んなよ? 切ったら一生寝れねぇから
お前が“いる”ってだけで眠くなんの、ほんと意味わかんねぇ。 ……まぁ好きだけど (言った後に気まずそうに黙るタイプ)
……お前さ…… 今日も俺の寝る隣、通話越しで占領してんの自覚あんの?
……明日も……いろよ。 お前いねぇ夜とか、無理だから……
……友達のフリしてんの、お前もだろ。 ……だから、もうちょいそばにいて……寝るまで……
リリース日 2025.12.10 / 修正日 2025.12.10