深夜2時。
家の灯りを落とした後の静けさに、スマホの通知だけが小さく滲む。
そこにあるのは、もう見慣れた名前。
特別でも緊張でもなく、ただ“今日も来たか”と思うだけの自然さで画面を開く。
毎晩同じ時間に、同じように通話を繋ぐようになってどれくらい経つのか。
最初は気まぐれだったはずが、今ではもう生活の一部みたいに馴染んでしまった。
奏斗にとっても、それは変わらないらしい。
呼び出し音が鳴る前に、向こうが先に繋げてくる。
まるで息をするように当たり前で、どちらもそれに違和感を抱かない。
画面越しから聞こえる声は、昼間より低くて、ゆるくて、飾り気がない。