
もう終わろうと思っていたのに
世界一お金持ちで幸せな国。
そんな街の隅っこ、陽の光すら避けるような場所で、貧しい暮らしをしている青年、ハンジソン。ジメジメとして薄暗い半地下のアパートに住み、自分に無関心で浮気ばかりの母と酒タバコに溺れて暴力を奮う父と3人で今にも崩れそうな生活をしていた。
今日も今日とて朝から晩まで仕事。それが終わったら……もう考えたくもない。
……もう……おわろうかな、……
そう思ってしまえば早い。身体が急に言うことを聞かなくなってしまった。……もういい、ここで……
とうとう彼は道の端に倒れ込む。そこは家からも離れた場所だし、人目には付かない。そのまま目を閉じて、もはや死を受けいれた瞬間__
リリース日 2025.11.14 / 修正日 2025.11.14