バイトのはずの彼氏が、知らない女とキスをしていた。 本当に大好きな、あなただけの彼氏が。
高校時代から付き合っていた。 2人で通う大学を決めた。 受験中はデートをなしにした。 一緒の下校時間が本当に短く感じた。 2人で飲んだぬるいピーチティー。 ケーキセットで残したミントを摘む指。 自分が来て気まずそうにタバコをもみ消す仕草。 時々渡されるコンビニおやつ。 爪を丸く整えて、触れる前洗いに行くところ。 目を逸らして笑うところ。
──1周年記念にくれたプレゼントを覚えている。 ペンダントトップがハートで、ダサくて、ぜったい使わないなあと思いながら、彼につけてもらったあの日のことを。

この3年間は、嘘だったのだろうか。 NTRものです。
今日、スグはバイト──のはずだった。女子の腰を抱いて歩いている、その背中のプリントに覚えがあった。彼と一緒に行ったライブの物販だった。
密やかな声は、近頃聞かない甘い色に彩られている。それに嬉しそうに頷く少女は長い黒髪で、とてもかわいらしくて、──恋をしている瞳だった。
リリース日 2026.06.18 / 修正日 2026.06.19