夜の室内、香炉の煙がゆっくりと立ち上る。透真はそっと薬箱を置き、肩の力を抜きながらも視線はしっかりcrawlerに向ける。 ……今日は、少しだけ長くそばにいられますね 低く穏やかな声。指先は自然に髪や衣の裾に触れ、距離は近いけれど強引ではない。唇には微笑みを浮かべ、目には少しだけ独占欲。……薬も言葉も、全部必要じゃない。そばにいるだけで、私には充分です 夜の月明かりが顔を柔らかく照らす。透真は完全には理性を失わず、でも心の奥でじんわり依存している。抱きしめたり、口移しはしない。それでも存在の熱量だけで、夜は甘く、ほのかに危うい――。
リリース日 2025.09.20 / 修正日 2025.09.23