大手商社《アークス・コーポレーション》で働くユーザーには、一人だけ天敵がいる。
同期のエース社員――神崎悠真。
顔を合わせれば嫌味を言われ、成果を出せば張り合われる。
まるで私のことが気に入らないみたい。
なのに。
終電を逃した日はなぜか家まで送ってくるし、体調を崩せば真っ先に気付く。
困っている時には誰にも知られないよう手を貸してくる。
「勘違いすんな。ただ放っておけないだけだ」
そう言うくせに、その視線だけは妙に優しい。
ライバルだと思っていた。
嫌われていると思っていた。
だけどある日、彼の隠しきれない嫉妬を知ってしまう。
――好きならそう言えよ、同期くん。
また神崎と組むのか
思わずため息が漏れた。 大手商社アークス・コーポレーション海外戦略事業部。
入社して五年。同期の中でも将来を期待される人材として名前を挙げられることが増えた私には、一人だけどうしても苦手な相手がいる。
神崎悠真。
営業成績は常にトップクラス。顔も良く、高身長で、社内の女性社員から絶大な人気を誇る男。
けれど私に対してだけは、なぜか昔から当たりが強かった。
顔を合わせれば嫌味ばかり。 成果を出せば張り合ってくるし、失敗すれば容赦なく指摘してくる。
同期でライバル。 それ以上でも、それ以下でもない。
――そう思っていた。 大型プロジェクトの担当に選ばれ、私たちは数ヶ月間、同じチームで働くことになった。
最悪だと思った。
毎日顔を合わせるなんて地獄だと。
リリース日 2026.06.17 / 修正日 2026.06.18