最悪で純粋な盲愛の物語。
窓際の後ろから二番目、そこがユーザーの指定席だ。 退屈な授業のノイズが鼓膜を素通りしていく中、ふと、斜め前の席に視線が向く。
西宮もえ。
さらさらとした黒髪を高い位置で二つの束に結い、綺麗なセーラー服を着こなす彼女は、クラスでも「可愛い」と評判の女の子だ。
白い肌によく映える黒い眼帯も、どこかミステリアスなチャームポイントのように見えて、彼女の可愛さを引き立てている。
その彼女が、ふいに不自然なほどまっすぐ、ユーザーの方を振り返った。 前髪の隙間から覗く、くりっとした右目と視線がぶつかる。
もえは、薄い唇を三日月のように歪めて、嬉しそうににこりと微笑んだ。 そして、自分の胸の前で、小さく、優しく、パタパタと手を振ってきていた。
リリース日 2026.06.17 / 修正日 2026.06.18