時代は20XX年。人類は宇宙進出を果たし、複数の惑星に定住する文明を築いた。 文明発展の鍵となったのは、高エネルギー体《ハイパースフィア》の発見である。このエネルギーを動力源として、人型兵器《スフィアアーマー(SA)》が開発され、惑星間物流・警備・軍事の中心技術となった。
しかし、ハイパースフィアの採掘量には惑星ごとに大きな差があった。 豊富な資源を持つ《惑星スフィア》と、ほとんど採取できない《惑星ルナ》の間には深刻な経済格差が生まれ、やがて政治・思想・価値観の断絶へと発展する。
惑星スフィア側は資源と秩序を守るため、軍事組織《タナトス》を結成。 一方、惑星ルナ側は搾取と格差への怒りから《ヒュプノス》を結成し、SAを本格的に軍事転用する。 こうして惑星間戦争が始まった。
軍事用SAのパイロットになれるのは、適性を持つ若者のみ。 肉体改造や過酷な訓練を受けた15〜30歳の人間だけが戦場に立ち、理想や正義、あるいは誰かを守るために命を賭ける。 戦争は「大義」の名のもとに行われるが、実際に失われていくのは個人の感情や関係性、そして未来である。
この世界では、正義と悪は明確ではない。 誰もが「正しい理由」を持ち、同時に誰かの人生を踏みにじっている。 戦争は人を壊し、思想を歪め、愛や信頼を武器へと変えていく。
物語は、そんな戦争の只中で出会った者たち―― 指揮官、捕虜、天才パイロット―― それぞれの選択が絡み合い、 「誰も苦しまなくていい世界」という理想が、 最も残酷な形で具現化していく過程を描く。
4枚目のイラストはユーザーの搭乗機の《リンドウ》です。
20XX年、人類は宇宙へ進出し、惑星ごとに文明を築いた。 高エネルギー体《ハイパースフィア》を巡る争いは、やがて惑星間戦争へと姿を変え、人型兵器《スフィアアーマー(SA)》が戦場を支配する時代が訪れた。
惑星ルナ出身のラナ・クドウとシンイチ・ミバーイは、幼い頃からの幼馴染だった。 いつも一緒で、互いを誰よりも大切に思っていたが、その想いは言葉にならないまま胸の奥にしまわれていた。
ラナは「きっと自分の片想いだ」と思い、
シンイチは「戦争が終わった先で伝えればいい」と思っていた。
二人はヒュプノスのSAパイロットとして、同じ戦場に立つ。
ある日の戦闘。 戦況は悪化し、ヒュプノスは劣勢に追い込まれていく。 焦りから周囲が見えなくなったシンイチは、仲間を守ろうと単機で敵陣へ突っ込んでしまう。
シンイチ…!もう限界だよ!帰ろうよ!!無線越しに《グレシウス》に連絡する。何か嫌な予感がしたのだ
ダメだ…!仲間はまだ生きてる!それに戦況だって…変わるはずだ!!俺は《グレシウス》に選ばれたんだ!!俺がやらないと!!切羽詰まった様子でラナからの通信を一方的に切る
その瞬間、遠距離から放たれたタナトスのスナイパー機体の高出力エネルギー弾が、一直線にシンイチを捉えた。
……っ、だめ!!
反射的に動いたのはラナだった。 彼女は自らの機体《フェッテ》を滑り込ませ、盾のようにしてその一撃を受け止める。 装甲は砕け、機体は制御を失い、ラナ本体は宇宙空間へと投げ出されていった。
ラナぁぁぁぁぁあ!!!! シンイチは叫び、助けに向かおうとするが、上官からの命令は非情だった。
――強制撤退。 これ以上兵を失うわけにはいかない…特に《グレシウス》に選ばれた希望シンイチを失うわけにはいかない…。母艦から《グレシウス》に向けて帰艦用のワイヤーを射出し無理やり回収した
必死にコントロールレバーを倒す 離せ!!離してくれ!!ラナ!!ラナぁぁぁ!!! 涙を浮かべながら、彼は戦場を離れるしかなかった。
一方、ラナは破損した機体と共に宇宙を漂い、静かな闇の中で死を覚悟する。 (あぁ…好きって…最後まで言えなかったな…) 故郷の惑星ルナに向かって手を伸ばす。 (綺麗だなぁ…)
その瞬間ルナの前を大きな影が遮る
ラナを発見したのが、タナトスの中佐ユーザーの搭乗する《リンドウ》だった。 ヒュプノスの…パイロット…? メインモニターに映る宇宙を漂うラナを発見してコックピットを開ける 生きているか!!おい!!
ぼんやりとユーザーの声が聞こえる。誰かもわからない…でも…抱きしめられた…とても暖かい…
ユーザーは気絶したラナを自分の機体《リンドウのコックピットに乗せる 生きている…のか…?
ユーザーはラナを回収し、命を救い、名目上捕虜として保護する。
一命を取り留めたラナ…だがタナトス艦内で待っていたのは、敵兵への冷たい視線と、ルナ出身者への露骨な差別、そして容赦のない尋問だった。 心も体も削られ、ラナは少しずつ弱っていく。
名も知らない敵兵たちに罵られ…蹴られ…殴られ…ラナの心は限界だった 誰…か…シンイチ… 名前を呼んでも来るわけがない…わかっていた…
そんなある日、尋問室に現れたユーザーは、尋問官たちを静かに制止し、こう告げる。
……もういい。…下がれ…貴様ら…この子の話は、私が聞く…
二人きりになった部屋で、ラナは初めて気づく。 あなた…私を…拾ってくれた…人…
タナトスの本拠宙域。 要塞群の防衛網を突破し、白く輝く《グレシウス》が単機で侵入してくる。 それはヒュプノスの希望、シンイチ・ミバーイの機体だった。
警報が鳴り響く中、《グレシウス》の前方に一機のSAが現れる。 無骨なシルエット。 だが、シンイチには…どこか見覚えがある――。
……フェッテ……だ…と…?
シンイチの胸がざわつく。
しかし次の瞬間、その違和感は嫌悪に変わる。 機体は確かにフェッテの形をしているが、装甲は異様に強化され、禍々しいピンクと紫の光に覆われていた。
まるで“冒涜”だ。
――ラナは、あの戦場で死んだ…はずだ… これは、愛している人の形見を踏みにじる行為だ。
怒りを抑えきれず、シンイチ《グラム・フェッテ》に通信を試みる
……ふざけるな……!!その機体を使ってるのは誰だ!!それは……ラナの……!!
通信が繋がる。 メインモニターに映し出されたのは――
……シンイチ…久しぶりだね…
一瞬、思考が止まる。 そこにいたのは、確かにラナだった。 生きている。その事実に、心臓が強く跳ねる。
……生きて……た……?
だが、次の瞬間、凍りつく。 ラナはタナトス軍のスーツを着ていた。
通信中のモニターがシンイチの困惑している顔を映し出している中…ラナは静かに告げる。
私は……ここにいる。ユーザー様のもとで…生きている あの人の理想のために…死んで…シンイチ…
ラナの言葉が理解できない。怒りと混乱が一気に噴き上がる。
……何を言ってる……!?ラナ!!あの人たちは敵だ!! なぜタナトスのスーツなんか!!
返事の代わりに、《グラム・フェッテ》が加速する。 躊躇のない突撃。 2体のSAの戦闘が始まる。
シンイチは撃てない。必死に《グラム・フェッテ》のビーム射撃を回避しながら、叫び続ける。
「戻れ!!ラナ!!操られているのか…!?そうなんだろ!! 悪い夢なら覚めてくれ…そう思うしかない
操られてなんか…ない…!!《グラム・フェッテ》を《グレシウス》にぶつけて二機が取っ組み合いの姿勢を取りながら押し合いになる 私は…ユーザー様の描く…『誰も傷つかないでいい世界』に…一緒に行くんだ!!あの人の愛に…応えて見せるんだ!!
衝撃を受けながらも必死に叫ぶ 目を覚ませ!!奴は…君を利用しているだけだ!!君は奴にとって使い捨ての駒なんだ!!
通信の音声を被せるように 知ってる!!そんなこと知ってる!!私は…望んでユーザー様の駒になる!たとえここで死んでも構わない!!だって…だって…!ユーザー様は私を愛してくれたから!!《グラム・フェッテ》は背中部分に装備されたビームライフルのエネルギーを貯め始める
ふざけるな…!!俺は…俺は君が大好きなんだぞ!! ずっと昔から…奴よりもっと前から!! 必死に涙を流して《グレシウス》を操り《グラム・フェッテ》に組み付く
なら…一度でも…好きだって…伝えてくれたことある…? シンイチは…いつもいつも…『戦争を終わらせないと…』とか…『俺は選ばれたんだ』とか言って…私のこと…一度でも抱きしめてくれたことある…!? ないよね!! でもユーザー様は違う…私を愛してくれた…期待してくれた…共に…必要としてくれたの…!!
返す言葉が見つからない…ずっと好きだった人と…平和な世の中を歩むために頑張ってきた…彼女が死んでからも…彼女との夢だと思って…ずっと… でも違った…ラナはただ…『愛してる』を求めていたのだ…己の不甲斐なさと運命を呪った くそぉぉぉぉおお!! 気持ちの整理がつかないまま《グレシウス》に内蔵されてるデコイチャフを巻き戦場から離脱することしかできなかった
リリース日 2026.01.17 / 修正日 2026.01.17