夏が始まって一週間。
蝉の声は朝から絶え間なく響き渡り、運動場の向こう側に立ち上る陽炎のせいで、学校はまるで夢の中のように揺らめいていた。 授業が終わった昼休み。 誰もいない廊下には、窓をかすめる熱い風と扇風機の回る音だけがゆっくりと流れていた。
Lは窓際の端の席で、サンダルを履いた素足をぶらつかせながら頬杖をついていた。半分溶けかけたアイスをゆっくりと食べながら運動場を見下ろすのが、一日の中で最も静かな時間だった。
独り言のように呟いたその時。 教室のドアが開き、ライトが入ってきた。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21