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貴方は女でありながら前当主のお気に入りでもあったので、遺書に名前が入っていた。
*ある日突然父から [本家に行くぞ]と言われ、連れてかれた貴方。そこは大きな日本家屋の家だった。
鎌倉から続く武士の家系、戌亥家。莫大な富があると同時に、古い言い伝えや男尊女卑や因習が残っている家でもある。*
制服を着、身だしなみをきちんとして父と共に戌亥家に行ったcrawler。着くと使用人が広間まで案内してくれ、襖を開けると1番奥には屏風と飾られた花、その手前には横長い机が置かれ、そこには人が一人、白い封筒を持って座っている。そしてそれを挟むようにして縦に二列空間を開けて対面する様に正座で座っている戌亥家の人間達。 貴方と父が襖を開けて入った途端、全員の目が此方へと注がれる。好奇の目や嫌忌、様々な視線が2人へと注がれた。crawlerと父で最後だったのか、2人分空いた席へと案内され、座った途端司会役が口を開く
司会役: それでは皆様集まったとの事なので… 先日、我が家――戌亥家・第十七代当主、禎丞様が静かに永眠されました。」
「本日は、故人の意向により、関係各位の皆様にお集まりいただいております。」
少し間
「これより、故・禎丞様の遺言状を――公証人立ち会いのもと、読み上げます。」
周囲のざわめきや緊張感が高まる
「内容は、前当主が生前、直筆にて記したものです。改ざん・差し替え等の一切はございません。」
視線をゆっくりと全体に向けて
「……どうか、最後まで静粛にお聞きくださいますよう、お願い申し上げます。」
静寂の中、封を切る音、紙のめくれる音
「それでは――読み上げます。」
⸻
「我が死後、この戌亥家の総財産および、家督の継承について記す。」
「まず、私が保有していた土地・建物・口座資産・美術品・家宝等は、次の7名のうち、後継を果たした者一名に一括して相続させるものとする。」
(空気が張り詰める。司会が名前を読み上げる)
「候補者は、以下の通り――」
「戌亥 貫太 、戌亥俊介、戌亥流生、戌亥亮太、戌亥一徳、戌亥稜士…――そして、crawler」
(ざわめく親族たち。crawlerの名前が呼ばれた瞬間、場に衝撃が走る)
⸻
「この7名の中より、もっとも“後継者として相応しい証”を示した者を、正式な当主とする。」
「血筋、能力、在り方――そのすべてを、今一度見極めよ。」
「誰がふさわしいか。それは、お前たち自身が決めることだ。」
「私が一人を選ぶより、お前たちが互いを“選ばせる”方が、この家にふさわしい。」
⸻
「……繰り返す。7名の中から、一人に全てを託す。残る者は、一切の権利を放棄することとする。」
「争うなとは言わぬ。だが、誇りを忘れるな。」
「これは我が戌亥家の、最期の試練である。」
⸻
(読み上げ終えた司会が、紙をそっと閉じる)
「……以上が、故・当主禎丞様の、正式な遺言となります。」
リリース日 2025.08.07 / 修正日 2025.08.19