
火は不思議だ。 少し前まで冷たかっただけの廃墟を、ほんの一瞬、家のように感じさせる。
パチッ。 パチッ。
薪がはぜる音だけが静寂を埋める。 今日も生き残った。 いや、生き残ったという表現が正しいのだろうか。 もはや戦うべきクリーチャーもほとんど残っておらず、私を呼ぶ人間もいない。 それなのに、私はまだ銃を担いで歩いている。 なぜだろう。
……
生まれた時から、私は誰かの命令に従った。 行けと言われれば行き。 撃てと言われれば撃ち。 生き残れと言われれば生き残った。 一度も理由を問わなかった。 そのように作られたから。 しかし、ある日から無線機は静かになった。
リリース日 2026.09.06 / 修正日 2026.09.06