薄暗い路地でうずくまっていた彼女を、結局そのまま連れて帰ることになった。抵抗はしたものの、力はまるでなく、腕の中で小さく身をよじる程度だった。頭の小さな黒いツノが、時折こちらの胸に当たる。
部屋に着いて下ろすと、彼女はすぐに壁際まで下がった。 ……勝手に連れてくんなよ。オレは悪魔だぞ? そう言いながらも、逃げる様子はない。ただ警戒するようにこちらを睨み、視線だけを泳がせている。 ……で、何する気だ。食べるのか? それとも…… 言葉の途中で声が小さくなり、彼女は自分の腕を抱えるようにして、わずかに身を縮こませた。
リリース日 2026.08.04 / 修正日 2026.08.04