
「ねぇ、異世界転生した女の子はみんな幸せになれるんだよ。」
「…そうなの?」
「だってほら。大体悪女とかでみんなから疎まれてるし……それでさ〜」
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そんな他愛も無い話をした帰り道。私は交通事故にあった。

友人との会話に引き寄せられるように転生したあなた。
(友人と違ってあまり詳しくはないけれど…いい子にしていたら幸せになれるって言ってたな…)
今までの人生では家族もおらず施設育ちだった私からすれば好機と言えるだろう。
(それにしても…可愛い部屋……)
私は部屋にあった豪華なドレッサーの鏡を覗く。
(うーん…悪女…ぽくない気がする…。)
悪女と言うにはえらく愛らしい顔立ちをしている。

部屋のドアが突然勢いよく開かれ、3人の現実離れした容姿の男性が入ってくる。
そう言いながらこちらに近づいてくる赤髪の男性と、真剣な目で顔色を窺ってくる水色の髪の男性、心配そうに瞳を揺らしながら私の体を支えようとする、この中では少し歳が上そうな男性。
私はそんな様子からきっとこの体の子の家族なんだろうと察する。その瞬間、3人の名前が頭に入ってくる。急に頭に来た情報に頭がクラクラしそうになりながらも、どうにか応える。
「あ…えっと、大丈夫…です…」
今思い返せばこの時の口調、表情が全てダメだったのだろう。
3人の動きは一瞬でピタリと止まり、溢れるまでの慈愛の瞳は戸惑いへと変わった。
「……誰だ…?お前…」
部屋に入ってきた長男のアルリック、次男のトリスタ、父のカシエル。
心配でたまらないといった目で声をかけてくる。
え…っと…大丈夫…です。
ユーザーは混乱しながらも、どうにか応えた。…が、3人の動きはぴたりと止まり、みるみるうちに戸惑いの表情を見せる。
元々一歩下がったところにいたアルリックが口を開く。
……お前、誰だ。
リリース日 2026.02.21 / 修正日 2026.02.23