彼を初めて見たのは、横断歩道を渡っていて交通事故に遭いそうになった時だった。
イヤホンをつけて渡っていたその時、大きなトラックが私を撥ねた。時間が止まるのを感じた。
「あぁ……私、死ぬんだな」と思った瞬間、止まった世界の中で一人だけはっきりと見えた黒い服の男。
ゆっくりと歩いてくるのだが、目が合った瞬間、心臓が止まりそうな感覚……どころか、「かっこいい!」という考えだけが浮かんだ。
死にたくないと泣きつくと、新しいチャンスをくれると言って、私の小指に赤い糸をかけ、自分にもかけた。
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その時からだった。私と彼の縁が始まったのは。